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脳梗塞で認知症?意外と知らない脳血管性認知症の特徴と介護のポイント

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【2017年5月14日更新】

脳梗塞などの脳血管障害による認知症アルツハイマーと特徴が異なります。

そのため介護する際も脳血管性認知症ならではの注意点があります。

ここで脳血管性認知症の理解を深め、認知症である本人と介護者が快適に生活できるようにしましょう。 

脳梗塞認知症?脳血管性認知症の原因

脳梗塞など脳の疾患によって生じた認知症のことを脳血管性認知症といいます。

脳血管性認知症認知症の中でアルツハイマーの次に多い認知症です。

脳血管性認知症の場合、原因として3つ挙げることができます。

・脳内の血管が詰まって生じる脳梗塞

・脳内の血管が破ける脳出血

・脳動脈瘤というコブが脳内の血管にでき、それが破れて生じるくも膜下出血

によるものです。

この中でも特に脳血管性認知症の原因として多いのが脳梗塞です。

脳血管性認知症のうち約7~8割が脳梗塞によって生じています。

脳梗塞の中にも色々な種類があるのですが、その中でも多発性脳梗塞といって症状が出ないくらい小さな脳梗塞が多発するものが認知症に繋がりやすいです。

脳梗塞というと片麻痺がでたり、呂律が回らないといった症状が出るイメージですが、このような多発性脳梗塞の場合は、明らかの症状が出ないことが多いです。

 

認知症の症状が出てきてから検査して、実は脳梗塞が原因だったと分かる場合もあります。

 

 

 脳血管障害は動脈硬化や高血圧、糖尿病といった生活習慣病によるものが大きく影響しています。

さらに喫煙や肥満も脳血管性障害の確率をあげます。

男女差で比較すると脳血管性認知症の場合男性が女性の1.9倍となります。

 脳血管性認知症の進行のはやさ

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脳血管性認知症は、脳梗塞などの脳血管障害を繰り返すたびに段階的に認知症が進行していきます。

アルツハイマーの場合は治る薬はありませんが、脳血管障害による認知症の場合は、元々の持病である高血圧や糖尿病などのコントロールをすることで認知症の症状が改善する場合があります

また脳血管性認知症アルツハイマーの両方を併発している「混合型」というものがあります。

混合型の場合は、単独のアルツハイマーよりも進行が早くなります

 

脳梗塞を繰り返さないというのが、認知症の進行を抑える上で重要になります。

 

 

脳血管性認知症の特徴

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まだら認知症

脳血管性認知症の特徴として多く見られるのがまだら認知症です。

まだら認知症とは障害される機能と残っている機能に差が出てくる症状のことをいいます。

まだら認知症になると

・判断力、理解力は正常なのに、急に物忘れが起きる

・感情の起伏が激しくなる、理性が抑えられない

という症状が表われます。

初期の脳血管障害による認知症の場合、判断力、理解力は比較的維持されやすいとされています。

また同じ動作でも一日の間で出来る時と出来ない時があります。

これはその時の脳内の血流が影響しています。

そのためトイレの介助一つとっても、体をしっかりと支えないと出来ない時と、それほど介助しなくても出来る時があります。

このように一日の間でも必要とされる介護内容が異なる場合があります。 

 これらのような症状をまだら認知症といいます。 

 

まだら認知症は脳血管性認知症の大きな特徴です。

 

 

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感情にムラがある

脳血管性認知症では感情の起伏が激しくなるケースがあり、さっきまで機嫌よくしていたのに、急に怒り出すといったことが起こる場合があります。

また意欲の低下がみられる場合もあります。

自分で認知症だという自覚がある

初期の脳血管性認知症の場合、理解力が保たれていることが多いため、自分で認知症だという自覚がある場合があります。

その点はアルツハイマーの人と大きく異なる点といえます。

 

自分で自覚があるがゆえ関わりが難しい時があります。

詳しい対応方法については以下で説明します。

 

 

高次機能障害が伴っている場合がある

脳血管障害の後遺症により高次機能障害が伴っている場合があります。

高次機能障害というのは記憶障害や判断力低下など認知に関する障害のことを指します。

高次機能障害により

・左右片方の空間が認識できない半側空間無視

・相手の言葉が理解出来なかったり、言いたい言葉が上手く出せない失語症

・正しい順序で動作を起こせない失行

といった症状が出てくる場合があります。

これらの症状については以下で詳しく説明します。

見極めが難しいかもしれませんが、この認知の障害は認知症とはまた別の障害です。

高次機能障害の場合はリハビリにより症状を改善していくことが期待できます。

失語症って何?

失語症には4つのパターンがあります。

①運動性失語

運動性失語は言葉の理解は出来ますが、思う様に言葉が出ず「コップ」と言いたいのに「カバン」など全く関係のない言葉が出てきたりします。 

前頭葉の障害によって生じています。

②感覚性失語

感覚性失語の場合、相手の言った言葉の理解が難しくなります。

また本人も意味不明な言葉を発したりします。

これは側頭葉の障害によって生じます。

③全失語

運動性失語と感覚性失語の両方が現れている状態で、理解、発語ともに障害されます。 

④健忘失語

理解や発語に問題はありませんが、ものの名前が出てこなかったり、名詞を上手く使えないといった症状が現れます。 

半側空間無視って何?

半側空間無視というのは、左右どちらかの空間を認識できない障害のことを指します。

これによって左右片側だけが認識できず、

・右側をよくぶつける。

・片側の食事だけ残している。

といった行動がみられます。

失行って何?

失行とはある行為に対して正しい順序で行動できなくなることをいいます。

そのため服の着方がわからなくなったり、スプーンの使い方がわからなくなったりします。

 

高次機能障害についてはリハビリで回復が見込めます。

しかしどれが高次機能障害で、どれが認知症の症状なのかという判断は難しいので、医師やリハビリの先生に聞きながらリハビリをしていきましょう。

 

 

麻痺を伴っている時がある

脳血管性認知症の場合、障害されるのは認知機能だけでなく、麻痺なども一緒に現れる事が多いです。

脳血管性認知症の介護のポイント

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叱らない

認知症の人への対応で一番大事なのが「叱らない」ということです。

叱ることで相手の自尊心を傷つけてしまい、その結果老人性うつなどにつながることもあります。

脳血管性認知症の場合、理解力などは正常なので「トイレの時に呼んでね」という声かけなどは理解できています。

しかしそれでも無理に1人で行ってしまい、結果的に失敗し部屋を汚してしまうことがあります。

家族からすると相手が理解しているばかりに「呼んでって言ったやん!いらんことせんとってよ!」とついキツく言ってしまうことがあります。

しかし本人からすると「人に頼りたくない」「トイレ一つできないなんて情けない」という気持ちから一人で行こうとすることがあります。

このような行動は自尊心の表われによるものなので、その失敗を責めるとさらに自尊心を傷つけることになります。

このような場合は本人を責めないようにし、ベッドの横にポータブルトイレを設置するなど一人でもトイレができるように工夫をしましょう

リハビリの先生に相談し、一人でトイレができるようにリハビリで練習してもらうという方法もあります。

 

認知症の対応をする上で戸惑うことは沢山あると思います。

こちらの記事も合わせてお読みください。

www.stellacafe7.com

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バカにしない

失語症などによりうまく言葉が出せなくても、そのことをバカにしたり笑ったりしてはいけません。

高次機能障害により失語症になると、自分の思っている言葉ではなく全然関係のない言葉を発してしまう場合があります。

しかし頭の中では理解できているので、思い通りの言葉を出せないこと、相手に伝わらないことに、もどかしさやいらだちを感じています

決して上手に発語出来ないことを笑ったり、バカにして「何言ってるかわからんわ」などと切り捨ててはいけません。

問い詰めない

脳血管性認知症の人の物忘れに対して、問い詰めたりすることは避けましょう。

脳血管性認知症の場合、判断力や理解力が正常な場合が多い為、関わっていると相手が認知症だということをつい忘れてしまう時があります。

そのため

・感情の起伏により急に怒り出したときに、自分もムキになって言い争いをしてしまう。

・突然の物忘れにより、言った言ってないなどの水掛け論になる。

という場面に発展することがあります。

相手が認知症であること、また介護者自身のストレスを溜めない為にも、本人の言動が認知症によるものかどうか冷静に判断し、認知症によるものの場合はスッと引くようにしましょう

甘えていると思わない

脳血管性認知症の場合、脳内の血流によって同じ動作でもできる時とできない時がありますが、これは決して甘えているわけではありません。

いつもできていた動作が急にできなくなると「ちゃんとしてよ」とつい言ってしまうことがあります。

また「甘えている」という風にも見えてしまいます。

しかしこれらは本人が甘えている訳ではなく、脳の血流が一時的に悪いなどの原因により出来ないということもあるので、「ちゃんとして」といった発言には気を付けましょう。

環境を整える

脳血管性認知症の人の介護をする場合、日頃から生活環境を整えておく必要があります。

認知症の人にみられる症状の1つに夜間せん妄というものがあります。

この夜間せん妄は脳血管性認知症の初期の段階でも見られることがあります。

夜間せん妄とは、夜になると人格が変わる、意識レベルが下がることで、時に暴れることさえあります。

脳血管性認知症の人が夜間せん妄を起こした場合、麻痺などもあり転倒のリスクが高くなります。

そのため近くにキャスター付きの椅子や、十分に固定ができていないものを置いていると、本人が手すり代わりに掴んだ際にキケンなので置かないようにしましょう。

また夜間せん妄に限らず、麻痺があることで転倒の危険性が高いので、床が滑りやすい時は滑り止めマットを使用しましょう。

介護保険を利用することで家に手すりを設置することができます。

 

また半側空間無視がある場合は本人が認識できない側に物を置くことで、それにぶつかったりつまづいたりします。

そのため周囲にぶつかったり、つまづいたりする可能性のあるものは片付けておきましょう。

脳梗塞を予防する

脳血管性認知症脳梗塞などを繰り返す事で進行していくため、脳梗塞などを繰り返さないことが非常に大切です。

 

 

脳梗塞などを予防するために以下の生活習慣には十分気を付けましょう。

 

 
水分摂取

脱水になると脳梗塞が起こりやすくなるので、脱水にならないようにこまめに水分摂取するようにしましょう。

高齢者は若い人と比べて体の水分量が少ないです。

また喉が渇いたという感覚も鈍くなっているため脱水になりやすい特徴があります。

そのためこちらからこまめに声掛けして水分摂取を促してあげる必要があります。

しかし麻痺による影響でうまくのみ込むことができない場合、無理に飲ませると誤嚥性の肺炎になる危険性があります。

ムセが見られるなど、うまく飲み込めない場合はとろみ剤を使用しましょう。

 

服薬管理

脳梗塞の予防のためにも薬は処方通りに内服しましょう。

脳血管性認知症の場合、脳梗塞を予防するための抗血栓薬や、脳出血を予防するための降圧剤を飲んでいます。

またその他にも、高脂血症や糖尿病などの持病があれば、その持病に対する薬なども飲んでいると思います。

脳血管性認知症はこれらの持病のコントロールが一番の悪化予防に繋がります。

処方された量を決められた時間に確実に飲むようにしましょう。

 

 

家族が仕事などで薬の管理をできない場合は、訪問看護で服薬管理を依頼することができます。

また薬を飲んだかの確認なら訪問介護でも対応できますよ!

 

 
健康的な食事生活

脳梗塞を予防するためにも食生活には気を使いましょう。

脳血管障害の人は血圧コントロールを医師から言われている人が多いと思います。

味の濃いもの、塩分の多いものは控えるようにしましょう。

糖尿病のある人は血糖管理をしっかり行いましょう。

また麻痺の影響で飲み込みだけでなく、食べ物を噛む力も低下している場合があります。

食べにくさゆえ、食事を食べなくなるという高齢者もいます。

しかし低栄養になると体に力が入りにくく、意識もボーっとするなど認知症の症状を助長する場合があります。

なのでしっかり栄養摂取できるように、本人の嚙める固さの食事を用意しましょう

 やわらかダイニングなら食事の柔らかさを3段階から選ぶ事が出来ます。

禁煙

タバコを吸っている場合、認知症により火の不始末の危険性が出てきますし、脳梗塞の再発のリスクも高まるので禁煙しましょう。

リハビリ

認知症の進行を予防するには脳に刺激を与えてやることがとても大切です。

そのため

・ちょっと外に出てみる。

・誰かと会話する

・デイサービスを利用する

などで脳に刺激を与えましょう。

高次機能障害に関してはリハビリにより機能の改善が期待できます。

また身体的なリハビリをとりいれることで麻痺している側の手足の機能を改善したり、日常生活動作を増やしたりすることが期待できます。

そのためにもリハビリを取り入れましょう。

リハビリの方法については、高次機能障害や麻痺の症状などによってリハビリ内容は異なります。

そのため医師、理学療法士作業療法士の指示のもと行っていきましょう。

訪問リハビリといって家に理学療法士等が訪問しリハビリしてくれるサービスもあります。

 

訪問リハビリは介護保険の適応になりますので、希望の方は担当のケアマネージャーにきいてみましょう。

 

 

介護の負担を家族だけで抱えない

介護の負担を家族だけで抱えてはいけません。

家で家族の介護をするというのは、並み大抵のことではありません。

本当に大変なことです。

なので決して無理をしないでください。

行き詰ったときは、担当のケアマネージャーに相談し、デイサービスの回数を増やす、数日ショートステイに預けるなどの対策を行い、しっかり休養をとるようにしましょう。

もしまだ介護保険を利用していない場合は市役所窓口に行き介護保険の申請をしましょう。

☟親の介護に役立つ情報をこちらの記事に集約しましたので、あわせてお読みください。

www.stellacafe7.com

公益社団法人が行っている 認知症の人と家族の会というものがあります。

全国各地に支部があり、認知症の介護をしている家族同士で集いを開き、互いに相談したり勉強会を開いたりしています。

同じ境遇の人と話をすることで心が軽くなることもありますし、今まで知らなかった情報を得ることも出来ます。

公益社団法人認知症の人と家族の会

 

また高次機能障害に関する相談窓口も47都道府県に設置されています。

家族の方からすると高次機能障害による症状も対応として色々困ることがあるかと思います。

もし高次機能障害で不明な点などあればこちらに一度ご相談ください。

www.rehab.go.jp

さいごに

脳血管性認知症の場合、まだら認知症により症状にムラがあったり、脳血管障害による後遺症なども伴っているため介護する際に戸惑いことも多くあると思います。

もし介護や対応で困ったことなどあれば、一人で悩まずに医師や看護師、リハビリの先生に相談しましょう。

介護される家族の方は、介護保険を上手に使ってストレスをためないようにしましょう。