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透析患者の性格には理由があった!看護師なら押さえておきたい対応時4つの注意点

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透析患者の対応に頭を抱えている看護師に向けて、サイコネフロロジーに基づいた円滑なコミュニケーション方法についてまとめています。

透析患者さんと関わっていると理不尽なことで怒鳴られたり、気難しかったりして対応に困った経験ってありませんか?

私も透析室で働いていた時に、シャントの穿刺をした際に怒鳴られたことがあります。

大きな声で「痛っっ!!このヘタクソ!お前なんかもう辞めちまえ!もう来るな!!」と言われましたよ。(苦笑)

透析室で働いているとこのような場面は決して珍しいものではなく、多くの透析ナースが経験したことがあると思います

そのため透析患者が苦手という看護師も多いのですが、サイコネフロロジーについて知識があると透析患者の性格についてちょっと見方が変わります。

ここではサイコネフロロジーに基づいて、透析患者と上手に付き合っていくための方法をお伝えします。

 

~注意~

本記事は透析患者を誹謗中傷しているものではありません。

また性格に関しても個人差が大きく、全員が当てはまるといっているわけではありません。

サイコネフロロジーってなに?

サイコネフロロジーとは

Psycho(サイコ)=精神心理

Nephrology(ネフロロジー)=腎臓病学

の二つの言葉を合わせたもので日本語にすると、精神腎臓病学という意味になります。

そして今回の参考文献になっている「透析患者のこころを受け止める・支えるサイコネフロロジーの臨床」の著者である春木重一氏がこのサイコネフロロジーの先駆者です。

春木氏は精神科医なのですが、透析患者でもあります。

若い頃に尿毒症を発症し、そこから40年間透析患者としても生きました。

サイコネフロロジーは、自身も透析患者として闘病する中で透析患者を精神医学の観点から見つめ分析したことでうまれた学問です。

 

透析患者の精神症状の原因となっているもの

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まずは透析患者の精神症状(抑うつ、不安等)の原因となるものからみていきましょう。

原因として身体面によるものと精神面によるもの2つの側面から説明します。

身体面による原因

透析をしていると様々な合併症が現れますし、多くの薬を飲んでいるので薬の副作用の影響も受けます。

透析患者の身体的原因となるものを以下に挙げます。

  • 尿毒症性精神障害
  • 水・電解質異常
  • 透析不均衡症候群
  • 脳血管障害をはじめとする脳循環代謝障害
  • 二次製副甲状腺機能亢進などの合併症による症状
  • 慢性的に続けられた透析による脳の器質的変化(脳委縮、脳波異常)による障害
  • 薬物(ステロイド向精神薬など)によるもの
  • 貧血、皮膚掻痒症、レストレスレッグス症候群
  • 透析不足

これらの要素が精神神経症状を引き起こす身体的な原因です。

 精神面による原因

次に精神面や社会面をみてみましょう。

透析患者全員に共通している心理的困難を以下に挙げます。

  • 腎不全は治癒しない病気であり、機械に依存しなければならないという事実
  • 透析しなければ死んでしまうという事実
  • 治療をすれば生きられるが、治療のためには生活形態、生活内容、人生のあり方などを根こそぎ変えなくてはいけない
  • もし腎移植に成功したとしても、それはそれで別の病者になること
  • もし腎移植が成功しなければ、再び透析患者になること
  • 社会的、経済的、家庭的な問題(これまでの自分とこれらかの自分、自尊心の問題など)
  • 合併症や自分の予後に対する慢性的な不安
  • 肉体的・精神的能力の低下と質の変化に対する不安
  • 「死」と隣り合わせの心理

以上のように透析患者は多くの葛藤を抱えており、これらも精神症状の要因となっています。

 透析患者の精神症状の原因となっているもの

先ほど身体面と精神面の両方について説明しました。

透析患者は先ほど挙げた様々な要因が複雑に入り混じっていることで不安や抑うつに繋がっています。

そしてその抑うつにより意欲の低下、受け身、イライラ、攻撃、自殺念慮、ゆとりのなさといった精神症状が現れます。

でも全員が全員このような精神症状がみられるわけではありません。

では精神症状が見られる人と見られない人とでは何が違うのでしょうか。

春木氏は

精神科医として、これまでの経験で言えば、このなかでも患者本人の自我機能の成熟度と家族の支持のあり方が決め手になると思う」

と述べています。 

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 透析患者の怒りやワガママといった攻撃の背景にあるもの

透析患者の攻撃(怒り・ワガママ)には3つの背景があります。

まず一つ目は「受容プロセス」によるものです。

看護師なら「受容のプロセス」についてあらゆる場面で耳にしてきていると思います。

・がんの告知

・事故などによる障害

・子どもの死・障害

など様々な「受容のプロセス」があります。

そして透析患者にも透析を受け入れるための「受容のプロセス」があります。

そのプロセスの中で「怒り」というものは通らなければならない1つのステージであります。

この怒りは透析を導入して半年~5年目くらいまでの患者に多くみられます。

2つ目は孤独感や見捨てられた感によるものです。

透析患者は透析を受け入れるプロセスの中で「なぜ自分だけが」という感情を抱きます。

そこから生じた孤独感や見捨てられた感などから「やり場のないこの思いを誰かにぶつけたい」という感情が生まれてしまうのです。

最初は家族にそのような感情をぶつけることが多いのですが、その結果別居、離婚となり家族が離れていってしまうケースも多いのです。

またその行き場のない怒りをぶつけやすい相手として看護師など日々関わる医療者も対象となりやすくなります。

3つ目は不安によるものです。

透析患者は治療のストップが死に直結するため、常に「死」に対する恐怖や不安を感じています。

そして本能的に自分の死が近づいていると感じ、怒りを爆発させることがあるのです。

 冒頭でも紹介したような患者がいきなり怒鳴り出すという場面は、このような背景

によって生じていると考えられます。

医療者がやりがちな5つの反応

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医療者も人間なので、透析患者の不当な怒りに対して様々な感情を抱きます。

ここでは透析患者の攻撃を受けた際に医療者がやりがちな5つ反応について説明します。

タイプ

医療者の反応

困惑型

「もう手におえない」「仕事辞めたい」

管理・不満型

「おとなしくするように叱っておこう」(しかし結果的にやり込められ、結果として困惑型にシフトしていく)

説得型

「~だから~しないとダメですよ」「ほかの患者たちも頑張っているのだから我慢して」

調査型

「どうしてあなたはそうなの?」「何かあったの?」

責任追及型

「家族のせいだ」「これまでの医者は何をしていたんだ」(病院の管理者に対して)「こんな患者を受け入れるなんて」「私達のことも分かってよ」

このような反応に心当たりのあるナースは多いのではないでしょうか。

しかしこれらの対応により余計怒らせてしまったという展開になることもしばしばです。

 患者・医療者が抱きやすい感情

透析患者と医療者間の衝突には今まで挙げてきた原因だけでなく「治療がうまくいっていない」という事実も関係しています。

・血圧が上下する

・痛みが強い

・針刺しに失敗する

このようなことが生じると患者の中では被害感情が強くなり、医療者に対して攻撃的になります。

しかし医療者からすると合併症など不可抗力のことも関係しており、どうしようもない場合が多々あります。

そのため徐々にその患者に対して苦手意識が出てきます。

以下に患者と医療者が抱きやすい感情についてまとめています。

 

患者の抱く感情

医療者が抱く感情

指導・抑制に対する恐怖

・支配されている

・命令されている

・自由を奪われる

・禁止ばかり

・嘘がばれる

・批判される

被害妄想

・悪口を言われている

・バカにされている

医療行為に対する反発

・医師や看護師が嫌い

・医療ミスだ

・訴えてやる

・もう二度とこんな病院い来るか(と言いながら他にいくところがなく来院する)

患者を打ち負かそうとする感情

・今日こそウソを見抜いてやる

・言い訳を論破してやる

患者を嫌悪する感情

・もうこんな患者いやだ

・今日もまたあの患者がくる

なげやりな感情

・どこか遠くの病院に行って欲しい

・精神病院で透析している病院ないのか

・こんなにめちゃくちゃな生活してたら、間もなく死ぬだろうな

「自分だけが」という感情

・みんな知らん顔して助けてくれない

・どうして自分だけこんな患者の面倒をみないといけないの

互いにこのような感情を抱くようになるのです。

そして透析患者は長年の治療経験から医療者のこのようなネガティブな感情を察知する能力を身に付けています

互いにこのような感情を持っていては、良い方向に進まないのは明らかです。

透析患者とのコミュニケーションで気を付けたい4つの注意点

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透析患者の攻撃の原因が分かったところで、本題である透析患者への対応の際の注意点を説明していきます。

「またやっているな」という心構え

「無責任・無関心型」とも呼ばれているのですが「もう知らない」「関係ない」「放っておこう」といった一見冷淡にもみえる対応が一番いいとされています。

患者が突然怒り出しても「またやっているな」程度に思い、淡々と透析を行うようにしましょう。

献身的にならない

献身的にならないこともポイントです。

看護師の中には「私がなんとかしてあげたい」と献身的になるスタッフがいます。

しかし腎不全は治るものではありませんし、合併症も防ぎようのないケースが多々あります。

そのため一生懸命なスタッフほど「無力感」を感じ燃え尽きてしまいます

また患者にも「見捨てられた」と失望させることになってしまいます。

献身的になることは双方にとって良くないのでやめましょう。

見破らない・暴露しない

患者が病気、療養を軽視あるいは否認しており、食事などの摂生が守られていない時は、指摘するのではなく黙って見守ることも大切とされています

透析患者は日々「死」を直視して生活を送っています。

そのような日々はとても大きな不安と恐怖を感じるものです。

その不安に適応するためには、ある程度病気を否認しなければやっていけないという心情も理解するようにしましょう。

そのため食事制限が出来ていない患者を見て、何でもかんでも注意するのではなく、患者の精神面も考慮する必要があるのです。

しかし不摂生な食生活に対して全く注意しなければ、命に関わる場合があります。

そのような危険性のある場合は、指導のタイミングや内容をスタッフ間でカンファレンスしたうえで介入していくことが好ましいでしょう

傾聴する

透析患者は多くの不安を抱えているので、その不安を聞いてあげましょう。

「この人は自分の話を聞いてくれた」と思ってもらえるだけで、析透患者は励まされ心が和みます。

また体の不調を訴えている時もしっかり話に耳を傾けましょう。

「○○が痛い。きっと△△したせいだ」

「○○した時に××が痛む」

という訴えがあった時それらの症状が合理的でない場合、医療者は「そのような症状は聞いたことがない」「それは関係ない」と説明してしまいがちです。

しかし仮に相手が小さな子どもだったらどうでしょうか。

腸炎で受診に来た子どもが「足が痛い」と言ったら、、、

きっと多くのスタッフが「足が痛いの?ちょっと見せて」と優しくなでてあげるでしょう。

透析患者の非医学的な体の不調も同じように対応することが望ましいとされています。

その対応だけでも「分かってくれた」と安心感を抱くことが出来ます。

 

 以上4つの点を心掛けて対応することで患者自身の攻撃性は減り、看護師自身のストレスも減ります。 

また家族が透析患者への対応に困っている場合は

・透析患者が抱えている精神的ストレス

・対応時の注意点

についての説明をしてあげることで、家族関係に亀裂がはいるのを予防できると考えます。

 

 

まとめ

・透析患者は身体的、精神的な側面が複雑に入り混じっていることで抑うつを抱えています。

・やり場のない怒りへの対象は家族、医療者へ向けられることが多々あります。

・医療スタッフは透析患者の怒りに対して、無意識のうちに誤った対応をしてしまっています。

・医療者の患者に対するネガティブな感情は、患者に見抜かれていることが多いです。

・透析患者の精神的な状況を理解した上で対応するようにしましょう。

・対応する際の注意点

☆「またやっているな」という心構え

☆献身的にならない

☆見破らない・暴露しない

☆傾聴する

 この記事を参考にして頂くことで、少しでも快適に働けるようになって頂ければ幸いです。

しかしそれでも「やっぱりムリっ!!」と思った時は転職も1つの手段といえるでしょう。

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